Tuesday, September 11, 2007

白内障と坐骨神経痛


白内障と坐骨神経痛と言われて関係があると考える方はいないと思う。ご年配の方から、「もうこの年になって身体にメスを入れるのは嫌だ。医者は白内障の手術をすればよく見えるようになると言うが、ちょっと新聞を読むのが不自由なぐらいだから、もういいと思って・・・」とこんな声を聞く。しかし長い間、身体の老いを診てきた私にとってこれはとても大事な問題が潜んでいる。というのは年を取って一番大事なものはニュースだと思っている。それもテレビで聞くのではなく、新聞で見ることである。以前の96才のご隠居さんを治療していたとき、必ず1時間の治療のなかで出てくる話のパターンが決まっていた。初めの15分ぐらいは最新のニュースの話から始まる。その後に自分が歩んできた人生とニュースをダブらせて、「今はこうかもしれないが、昔はこうだった。」という話が続く。ここまでで大体45分から50分。最後の10分で最近は便秘がひどいとか、膝の痛みが取れないなどの症状を訴えて1時間となる。何故かほとんどのお年寄りがこのパターンである。最新のニュースを自分で読んで考えて、人にしゃべり、昔話とくっつける。どうもこれが一つの健康法である。しかし眼が不自由になり、新聞を読むのが嫌になるとテレビでしか情報が取れないから、不思議と頭に残らず、確かテレビで見たんだけど内容をよく覚えていない。昔から読み書きソロバンとはよくいったものだ。。見書きソロバンとはいっていない。テレビだけとなるとニュースを良く覚えていないから、人と話をするのも自信たっぷりで話せないから、嫌になり接する機会も少なくなり、外出も控え、体力も落ち、便秘になると腰痛が出てくる。つまり坐骨神経痛になるのである。風が吹けば桶屋が儲かるではないが関係がある。新聞を読むのに不自由がなければいいが、年を取って最新の情報が新聞から取れなくなると次から次へと悪い事が起こる。お年寄りは時間があるのだから若い方がタップリ新聞が読めない分、ご自分の昔の体験とあわせてなにかの話になったときに、「新聞にはこう書いてあったよ。これは昔の~始まった話で今はこうだけどこんな流れがあった。」こういう展開になれば理想的である。それがテレビの知識だけだと、「それは僕も見たから知っているよ。」となり、そこから話が続かなくなるので、段々孤立してしまう。そういう意味でも白内障の治療は大切である。

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